Simple Western assays
2つのアプリケーションで分離、同定、定量
Simple Western™アッセイではタンパク質を分子量(サイズ)あるいは電荷(チャージ)の違いにより分離することができます。装置の違いで、分子量のみ、あるいは分子量と電荷の両方行えるシステムが選べます。どの装置を選んでも、標的タンパク質を分離、同定するだけでなく、正確な定量データが得られ、実験のクオリティーが大幅に改善します。
Simple Western サイズ(分子量)ベース アッセイ
サイズベースのSimple Westernは正に完全自動のウェスタンです(ウェスタンブロット分析と同等!)。ゲルも、転写器具も、ブロッティングも、フィルムも、手作業の解析もすべて不要です。 Wes、 Peggy Sueあるいは Sally Sueにサンプルをセットしてスタートボタンを押すだけ!ウェスタンブロットをすべて自動化する夢のシステムの登場です。
- Wes, Peggy Sue, Sally Sue はサンプルのロード、サイズベースのタンパク質分離、免疫プローブあるいは総タンパク質の標識、洗浄、検出、データ解析のすべての工程を自動化した、完全ウォークアウェイのシステムです。
- 再現性、定量性の悪化の原因となる手作業がなく、長い拘束時間から開放され、データの信頼性が向上します。
- 従来法からの移行は簡単です。ウェスタンブロットのプロトコールで使用していたのと同じ抗体をSimple Westernアッセイに利用できます。
- Peggy SueおよびSally Sueでは最大96サンプルを一度に処理でき、19時間で大きさによる分離とその定量解析を完了します。Wesでは最大25サンプルを3時間で完了します。
- 440 kDaの大きさのタンパク質まで、わずか3時間で分離し解析することができます。
アッセイの仕組みは?
新たに総タンパク質アッセイキットが加わり、シンプルウェスタンのサイズベースアッセイは、免疫検出のみならず総タンパク質の検出も可能となりました。サンプルをセットすれば即座にアッセイを開始できます。
Simple Westernサイズベースアッセイはキャピラリ内で行われます。サンプルと試薬はアッセイプレートに充填され、 Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sueにセットします。わずか40nLの微量サンプルは自動でキャピラリ内に吸引され、スタッキングマトリックスとセパレーションマトリックス内を移動することで大きさに基づいた分離が行われます。当社独自(特許取得)の光反応性の結合反応によって分離されたタンパク質はキャピラリ内壁にトラップ(固相化)されます。標的タンパク質は1次抗体で同定され、HRP標識2次抗体と化学発光基質で免疫検出されます。この化学発光シグナルを検出して定量します。
ライセートサンプル中の総タンパク質を検出したいと思いませんか?Wes、Peggy Sue、あるいは Sally Sue を使えば簡単で、抗体は不要です。大きさによって分離された標的タンパク質はビオチン試薬で標識され、さらにストレプトアビジン-HRPを用いた化学発光で検出されます。アッセイ終了後にはサンプル中の標的タンパク質の相対定量データが得られます。
データはどのように表示されますか? Simple Westernサイズベースアッセイのデータは、専用のCompassソフトウェアで自動的に解析されます。アッセイが完了すると即座に、データが見慣れた泳動イメージとして仮想的に表示されます。免疫検出されたそれぞれのタンパク質について、分子量、シグナル強度(面積)、%面積、SN比など多くの情報が自動的に一覧表で出力されます。
総タンパク質はこのような泳動イメージで出力されます。
総タンパク質の検出. Helaライセート中のDNAKの濃度希釈列およびネガティブコントロール(15、7.5及び3.75µg/ mL)。キャピラリー電気泳動に詳しい方には、電気泳動図表示も有用でしょう。
If you're more familiar with capillary electrophoresis, you can see your results in a more traditional electropherogram view too.
大きなタンパク質の解析を望む方に朗報です。新製品の高分子量タンパク質用の試薬を用いれば440 kDaまでのタンパク質が解析できます。
3種の高分子量ターゲットの解析. K562ライセート中のHECTH9、Talin、UBR5を66-440 kDa Masterキットを使用して測定。
再現性と定量性
完全に自動化されたWes、Peggy Sueあるいは Sally SueによるSimple Westernアッセイは、標準化が容易でより再現性の高い結果が得られます。ブロッティングステップがなく、タンパク質の転写に起因する不安定性も除外され、定量の信頼性が大幅に向上します。
MCF7細胞ライセート中のPhosphoinositide 3-kinase (PI3K) の発現. PI3K特異1次抗体を用いてMCF7細胞のライセート(1 µg/µL)の10サンプル(n=10)で再現性の分析をしました。PI3Kの予測分子量は110kDaです。Simple Westernアッセイの解析データでは平均分子量107kDa (分子量0.5% CV、シグナル強度8.7% CV)と示されました。
ダイナミックレンジ
Simple Westernアッセイは、約3桁のリニアなダイナミックレンジを持ち、より幅広い濃度範囲で正確なタンパク質の定量検出ができます。
GSK-3 alphaのダイナミックレンジの検出. Bicine/CHAPsバッファで調製したK562細胞ライセートを段階希釈し、GSK-3 alpha抗体で測定しました。計算されたダイナミックレンジは3.3 logで、R² = 0.9995でした。
Simple Western チャージ(等電点)ベース アッセイ
チャージベースのSimple Westernは、サイズベースと同様に正に完全自動のウェスタンです(ウェスタンブロット分析と同等以上)。ゲルも、転写器具も、ブロッティングも、フィルムも、手作業の解析もすべて不要です。ただしサイズベースとは分析データがとても異なっています。タンパク質は等電点(pI)で分離されるので、非常に小さな等電点の違いを見ることができます。驚くほど微量のサンプルで個別変化を調べる新しい方法です。
- Peggy Sue(ペギースー) はサンプルのロード、チャージベースのタンパク質分離、免疫プローブ、洗浄、検出、データ解析のすべての工程を自動化した、完全ウォークアウェイのシステムです。
- 限られた細胞集団の低含量のタンパク質は得意な測定で、アッセイあたりわずか25細胞のみを必要とします。
- 最大96サンプルを一度に処理でき、19時間のアッセイでpIと定量結果が得られます。
- 一次組織や穿刺吸引による、キナーゼ阻害薬剤の作用の評価や、癌タンパク質の調整機構の研究に利用できます。
アッセイの仕組みは?
シンプルウェスタンのチャージベースアッセイは、キャピラリー内で全てのアッセイが行われます。サンプルをセットすれば即座にアッセイを開始できます。
チャージベースアッセイはキャピラリ内で行われます。サンプルと試薬はアッセイプレートに充填され、Peggy Sueにセットします。 タンパク質と両性電解質は自動でキャピラリに充填され、予測されるpI値に準じてチャージに基づいた分離が行われます。当社独自(特許取得)の光反応性の結合反応によって、分離されたタンパク質はキャピラリ内壁にトラップ(固相化)されます。標的タンパク質は1次抗体で同定され、HRP標識2次抗体と化学発光基質で免疫検出されます。この化学発光シグナルを検出して定量します。
データはどのように表示されますか? Simple Westernチャージベースアッセイのデータは、専用のCompassソフトウェアで自動的に解析されます。測定データは、微細な変化を見ることが容易な電気泳動図で表示されます。免疫検出されたそれぞれのタンパク質について、pI値、シグナル強度(面積)、%面積、SN比が自動的に一覧表で表示されます。