Simple Western シンプルウェスタン システム
Gel-free, blot-free, hands-free
概要
シンプルウェスタン(SimpleWestern™)プラットフォームは、従来のウェスタンブロッティングを完全に自動化する市場で唯一のシステムで、わずか3時間で24サンプル、あるいは一晩で96サンプルのデータを提供します。 イムノアッセイまたは総タンパク質分析のいずれかにより、タンパク質を分子量ごとに2〜440kDaの範囲で分離して分析(サイズアッセイ)します。 翻訳後修飾の特性評価を行う場合は、等電点電気泳動を利用した自動化した電荷ベース測定(チャージアッセイ)もあります。 定量的な結果、正確な再現性が得られ、使用するサンプル量も少なくなります。 では、Simple Western自動ウェスタンブロットシステムと従来のウェスタンブロット測定の大きな違いは何でしょうか? SimpleWestern機器は、タンパク質の分離および検出プロセス全体を統合し自動化する、唯一のゲルフリー、ブロットフリー、そしてハンズフリーのキャピラリーベースのイムノアッセイプラットフォームです。 貴重な時間をほかの研究や実験に使えるようになります。
旧来のウェスタンを21世紀の技術革新へと導きます
歴史的に、従来のウェスタンブロットはタンパク質生化学の研究で広く利用されてきましたが、それは労働集約的で研究者の大事な時間を奪い、また様々な測定法の中でも特に再現性と定量性に制限があります。1970年代に開発されたウェスタンブロッティング技術は実質的に変わることなく、研究者の要求を満たすために行われた改良は限られていました。
Simple Westernは、従来のウェスタンブロッティングで長年悩まされてきた、高い変動性と低い再現性の原因となる、長くて不安定なトランスファー操作や手動のインキュベーション、洗浄、検出ステップなど、従来のウェスタンブロッティングの人手と時間のかかる操作を完全に排除します。
Simple Westernのハンズフリーで全自動、迅速な結果出力、定量化、高感度、再現性により、21世紀の研究者のウェスタンブロット分析のニーズを満たすために最適なテクノロジーとなっています。
自動ウェスタンのシンプルウェスタンと従来のウェスタンブロットのワークフローの違いは何ですか?
Simple Westernプラットフォームは、旧来のウェスタンブロッティングのワークフローを1から見直し、分離、免疫検出、データ分析を含むすべてのアッセイステップを完全に自動化しました。 Simple Westernプラットフォームはキャピラリー電気泳動に基づいており、SDS /熱変性タンパク質を見かけ分子量で分離し、キャピラリー内のUV感受性コーティングを介して共有結合で固定化し、そしてキャピラリー内で一次および二次抗体によって直接検出するSimpleWesternアッセイ を実行します。データは統合されたCompassソフトウェアによって分析します。
Simple Westernプラットフォームは、以前は手動で行っていたワークフロー操作を統合および自動化することにより、従来のウェスタンブロッティングに関連する多くの制限を克服し、ハンズオン時間を大幅に短縮し、そして優れた再現性とアッセイの互換/共有性をもたらします。 Simple Westernアッセイは定量的で、完全な応答曲線の生成を可能にします。また、イムノアッセイデータを簡単かつ正確に正規化できるように、総タンパク質ノーマライゼーション機能も搭載しています。
Simple Westernは操作が容易なだけでなく、スループットが高く、また短時間で結果を得ることができます。 Jess、Abby、Wesでは、わずか30分のセットアップ(サンプル、試薬調製)時間と無人自動化で、25サンプルのウェスタンブロッティングデータを3時間以内に完全に分析できます。 さらに高いスループットが必要な場合、SallySueまたはPeggySueでは1回の測定で最大96サンプルを分析できます。
これらすべての利点から、Simple Westernは、従来のウェスタンブロットプロトコルの推奨される代替法として認識され急速に定着しつつあります。
Simple Western System | Jess | Abby | Wes | Sally Sue | Peggy Sue | Traditional Westerns |
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測定当たりの最大サンプル数 | 25 | 25 | 25 | 96 | 96 | 25 |
最大サンプル時の測定時間(サイズ) | <3 時間 | <3 時間 | <3 時間 | <14 - 19 時間 | <11 - 19 時間 | 2 日 |
セットアップ手作業時間 | 30 分 | 30 分 | 30 分 | 1 時間 | 1 時間 | 3.25 時間 |
Simple Western – 完璧な論文発表用データのパートナーです!
助成金提出ガイドラインあるいは学術論文の提出などにおいて、科学界はますます、データの再現性、透明性、および厳密さに関して、新しくより厳格な基準を設定しつつあります。 1,000を超える文献も発表され、Simple Westernシステムは、データの整合性、再現性、および厳密さの最高水準を満たす、論文発表に対応したデータを生成し、従来のウェスタンブロッティングワークフローに関連する課題を克服しています
すぐに論文発表可能なデータを得たいときに、シンプルウェスタンを使う主なメリット:
- 自動化されたSimpleWesternプラットフォームは再現性のあるデータが得られ、他のラボでも公開された結果を簡単に再現および検証できます。
- 印刷品質の画像と定量性結果、およびすべてのアッセイ条件を含む完全な電子データファイルを出力し、データ保管データベースに簡単にアップロードしてデータ共有ができます。
- より正確な結果を得るために、イムノアッセイと同じキャピラリーで総タンパク質のノーマライゼーションを実行できるので、変化しやすいハウスキーピングタンパク質に依存する必要がありません。
- 不安定なストリッピングや再プロービングのプロトコルに苦労することなく、RePlex™機能を使用して同じキャピラリーで信頼性の高い連続イムノアッセイを実行します。
- シンプルウェスタン用認証抗体の豊富なセレクションを利用して、数時間以内にアッセイを最適化できます。
- 高感度の化学発光または蛍光検出モードを使用して、微量しか得られない貴重なタンパク質を確実に検出します。
- IR、NIR、および化学発光チャネルを備えたJessの蛍光機能を使用して、同じサンプルでマルチプレックスなウェスタンデータを取得します。
Learn more Simple Westernシステムが、厳密性、再現性、データの透明性など、論文の要件を満たしながら、研究者がより迅速に発表できるようにする方法について説明します。
MEET YOUR WESTERN PROTEIN ANALYSIS PROBLEM SOLVERS!
2つのアプリケーションで分離、同定、定量
Simple Western™アッセイではタンパク質を分子量(サイズ)あるいは電荷(チャージ)の違いにより分離することができます。装置の違いで、分子量のみ、あるいは分子量と電荷の両方行えるシステムが選べます。どの装置を選んでも、標的タンパク質を分離、同定するだけでなく、正確な定量データが得られ、実験のクオリティーが大幅に改善します。 Learn more.
Simple Western サイズ(分子量)ベース ウェスタンアッセイ
- サイズベースのSimple Westernは正に完全自動のウェスタンです!ゲルも、転写器具も、ブロッティングも、フィルムも、手作業の解析もすべて不要です。 Jess, Abby, Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sue にサンプルをセットしてスタートボタンを押すだけ!ウェスタンブロットをすべて自動化する夢のシステムの登場です。
- Jess, Abby, Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sue は、サンプルのロード、サイズ(分子量)ベースのタンパク質分離、免疫プローブあるいは総タンパク質の標識、洗浄、検出、データ解析などのすべての工程を自動化したシステムです。
- 再現性の悪化の原因となる手作業がなく、長い拘束時間から開放され、データの定量性や信頼性が向上します。
- 従来法からの移行は簡単です。ウェスタンブロットのプロトコールで使用していたのと同じ抗体をSimple Westernアッセイに利用できます。
- Peggy SueおよびSally Sueでは最大96サンプルを一度に処理でき、19時間で分子量による分離とその定量解析を完了します。Jess、Abby、Wesでは最大25サンプルを3時間で完了します。
- 2 kDaの小さなタンパク質から440 kDaの大きさのタンパク質まで、わずか3時間で分離し解析することができます。
サイズベースアッセイの仕組みは?
新たに総タンパク質アッセイキットが加わり、シンプルウェスタンのサイズベースアッセイは、免疫検出のみならず総タンパク質の検出も可能となりました。サンプルをセットすれば即座にアッセイを開始できます。
Simple Westernサイズベースアッセイはキャピラリ内で行われます。サンプルと試薬は専用アッセイプレートに充填され、そしてJess, Abby, Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sueにセットします。わずか40nLの微量サンプルは自動でキャピラリ内に吸引され、スタッキングマトリックスとセパレーションマトリックス内を移動することでサイズ(大きさ)に基づいた分離が行われます。当社独自(特許取得)の光反応性の結合反応によって分離されたタンパク質はキャピラリ内壁にトラップ(固相化)されます。標的タンパク質は1次抗体で同定され、HRP標識2次抗体と化学発光基質で免疫検出されます。この化学発光シグナルを検出して定量します。
ライセートサンプル中の総タンパク質を検出したいと思いませんか?Jess, Abby, Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sue を使えば簡単で、抗体は不要です。大きさによって分離された標的タンパク質はビオチン試薬で標識され、さらにストレプトアビジン-HRPを用いた化学発光で検出されます。アッセイ終了後にはサンプル中の標的タンパク質の相対定量データが得られます。
Simple Western のサイズデータはどのように表示されますか? Simple Westernサイズベースアッセイのデータは、専用のCompassソフトウェアで自動的に解析されます。アッセイが完了すると即座に、データが見慣れた泳動イメージとして仮想的に表示されます。免疫検出されたそれぞれのタンパク質について、分子量、シグナル強度(面積)、%面積、SN比など多くの情報が自動的に一覧表で出力されます。
総タンパク質データも必要ですか?それも測定できます!
キャピラリー電気泳動に慣れている方には、従来のエレクトロフェログラムビュー(グラフ表示)でも結果を確認できます。
大きなタンパク質の解析をご希望ですか?高分子量タンパク質用の試薬を用いれば440 kDaまでの大分子量のタンパク質が解析できま
再現性と定量性
完全に自動化された Jess, Abby, Wes, Peggy Sue, あるいは Sally Sue によるSimple Westernアッセイは、標準化が容易でより再現性の高い結果が得られます。ブロッティングステップがなく、タンパク質の転写に起因する不安定性も除外され、定量の信頼性が大幅に向上します。
ダイナミックレンジ
Simple Westernアッセイは、約3桁のリニアなダイナミックレンジを持ち、より幅広い濃度範囲で正確なタンパク質の定量検出ができます。
Simple Western チャージ(等電点)ベース アッセイ
Simple Westernチャージアッセイは、サイズアッセイと同様に正に完全自動のウェスタンで、ゲルも、転写器具も、ブロッティングも、フィルムも、手作業の解析もすべて不要です。ただサイズベースとは分析データがとても異なっています。タンパク質は等電点(pI)で分離されるので、非常に小さな等電点の違いを見ることができます。驚くほど微量のサンプルで個別変化を調べる新しい方法です!
- Peggy Sue (ペギースー) はサンプルローディング、電荷ベースのタンパク質ソ分離、免疫プローブ、洗浄、検出、データ解析などの、従来の1D等電点電気泳動スラ ブゲルプロトコルすべての工程を自動化した、完全Sウォークアウェイのシステムです。
- 限られた細胞集団の低 含量のタンパク質は得意な測定で、必要とする細胞はアッセイあたりわずか25細胞です。
- 最大96サンプルを一度に処理でき、19時間のアッbセイでpIと定量結果が得られまワす。
- キナーゼ阻害薬剤の作 用の評価や、一次組織や穿刺吸引物からの癌タンパク質の制御メカニズムの研究等に利用でナきます。
Simple Western チャージベースアッセイの仕組みは?
シンプルウェスタンのチャージベースアッセイは、キャピラリー内で全てのアッセイが行われます。サンプルをセットすれば即座にアッセイを開始できます!
サンプルと試薬をアッセイプレートに充填し、Peggy Sue にセットします。 タンパク質と両性電解質は自動でキャピラリーに充填され、予測されるpI値に準じてチャージ(電荷・等電点)に基づいた分離が行われます。当社独自(特許取得)の光反応性の結合反応によって、分離されたタンパク質はキャピラリ内壁にトラップ(固相化)されます。標的タンパク質は1次抗体で同定され、HRP標識2次抗体と化学発光基質で免疫検出されます。この化学発光シグナルを検出して定量します。
チャージデータはどのように表示されますか? Simple Westernチャージベースアッセイのデータは、専用のCompassソフトウェアで自動的に解析されます。測定データは、微細な変化を見ることが容易な電気泳動図で表示されます。免疫検出されたそれぞれのタンパク質の定量結果について、pI値、シグナル強度(面積)、%面積、SN比が自動的に一覧表で表示されます。
正しい機器の選択のために
Simple Western システム | Jess | Abby | Wes | Sally Sue | Peggy Sue | NanoPro(国内での扱いはありません) |
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シンプルウェスタン サイズアッセイ | ||||||
シンプルウェスタン チャージアッセイ | ||||||
化学発光 | ||||||
蛍光 | ||||||
Stellar | ||||||
Replex™ | ||||||
測定当たりの最大サンプル数 | 25 | 25 | 25 | 96 | 96 | 96 |
最大サンプル時の測定時間(サイズ) | < 3 hours | < 3 hours | < 3 hours | 14-19 hours | 11-19 hours | N/A |
最大サンプル時の測定時間(チャージ) | N/A | N/A | N/A | N/A | 11 hours | 11 hours |
サンプル冷却(サイズ;分子量) | N/A | N/A | N/A | 10°C | 10°C | N/A |
サンプル冷却 (チャージ;等電点) | N/A | N/A | N/A | N/A | 3°C | 3°C |
測定時の湿度レンジ(相対) | 20-60% 相対、結露しないこと | |||||
測定時の温度レンジ | 18-24°C | |||||
電源仕様 | 100-230 V AC, 50/60 Hz | |||||
機器サイズ (H x W x D) | 33 x 33 x 52 cm | 33 x 33 x 52 cm | 33 x 33 x 52 cm | 84 x 94 x 61 cm | 84 x 94 x 61 cm | 84 x 94 x 61 cm |
製品番号 | 004-650 | 004-680 | 004-600 | 004-700 | 004-800 | 004-109 |
免疫アッセイ サイズ(分子量)規格 | 免疫アッセイ チャージ(等電点)規格 | ||
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検出方式 | 化学発光 | 蛍光 | |
必要サンプル量 | 0.6-1.2 µg | 2.0-4.0 µg | 0.6-1.2 µg |
対応分子量あるいは pI レンジ | 2-40, 12-230 and 66-440 kDa | 2-40, 12-230 and 66-440 kDa | 最大時の濃度勾配 from pI 3 to pI 10 |
CV (サイズ) | <10% | <10% | <10% |
CV (測定内) | <15% | <15% | <20% |
CV (測定間) | <20%* | <20%* | <20%** |
解像度(± 分子量の差) | ± 15-20% for MW < 20 kDa ± 10% for MW > 20 kDa |
± 15-20% for MW < 20 kDa ± 10% for MW > 20 kDa |
± 0.1 pI units |
定量性 CV | <20% | <20% | <20% |
ダイナミックレンジ | 3-4 logs | 3 logs | |
感度 | Low pg | High pg | Low pg |
キャピラリー | 5 cm, 100 µm, 400 nL |
*CV (測定間)はシステムコントロール使用
**%ピーク面積