ProteinSimple Instruments Ella, Maurice, and Jess

シンプルウェスタンでタンパク質測定の多重化(マルチプレックス)

キャピラリーベースの Simple Western™ プラットフォームは、高品質なウェスタンブロットデータを提供するマーケットリーダーとしての地位を確立し、そして今、各サンプル内の複数のタンパク質を検出する様々な戦略に対応し、多重化の限界に挑戦しようとしています。すべてのSimple Westernユーザーは、免疫検出の前にタンパク質をサイズで分離するSDS-PAGE分離を用いて、分子量が異なる複数のタンパク質を化学発光チャネルで同時測定しますが、Jess™やAbby™などのユーザーは、さらにいくつかの多重化オプションを利用することが可能です。これら新たなマルチプレックス法により、分子量が重複している複数のタンパク質でさえ、同時に検出することができます。Simple Westernでは、わずか3 µLのサンプルで定量性の高い豊富なマルチプレックスタンパク質特性評価データを取得し、完全に自動化されているので、Simple Westernで測定を行っている間に次の実験を計画することができます。

多重化アッセイ戦略

Simple Westernは、多様な多重化戦略を可能にするパワフルなツールで、多重化ウェスタンブロッティングや多重化ELISAのようなデータを取得します。イムノアッセイを複数回実施、もしくはイムノアッセイデータを総タンパク質標準化と組み合わせることができます。シンプルウェスタンの多重化ストラテジーは以下の通りです。

Simple Western multiplexing assay strategies

分子量サイズに基づくマルチプレックス

分子量で分離検出する多重化では、同一キャピラリー内で分子量の異なる複数のタンパク質ターゲットを柔軟に検出します。わずか3 µLのサンプルから、より多くの情報を取得します。Simple Westernを用いて1本のキャピラリーで2つのターゲットをマルチプレックスすると、1サンプルあたりのデータポイント数は2倍になり、生物学的ローディングコントロールやシステムコントロールで正規化する場合は、データの定量精度が(Accuracy)向上します。サイズ(分子量)ベースのマルチプレキシングの詳細はこちらLearn More about Molecular Weight Size-Based Multiplexing。またウサギ一次抗体と異なる動物種で作成した抗体でマルチプレックスする際は、新規20X HRP標識Anti-Rabbit 2次抗体で最良の結果を得ることができます。

Size-based multiplexing with Simple Western
Size-based multiplexing with Simple Western

異なる宿主種の一次抗体を用いたタンパク質の多重化。RTU(調製済みの) 抗マウスとRTU 抗ウサギ2次抗体を等量混ぜて (左)、ERK1 (ウサギ抗ERK1 RTU, PN 042-206) と STAT3 (マウス抗Stat3 CST, 9139, 1:50) を測定するとシグナルが著しく低下しました。20× 抗ウサギ2次抗体をRTU 抗マウス2次抗体に混ぜて検出した場合(右)、抗体の飽和状態は変化することなく、個別に検出して得られた結果と同等の結果が得られました。

検出チャネルに基づくマルチプレックス

検出チャネルベースのマルチプレックスの柔軟性は、異なる検出チャネルを用いて同じキャピラリー内の複数のタンパク質を分析できることです。シンプルウェスタンアッセイでは、化学発光、NIR蛍光、IR蛍光と最大3チャネルを用いてタンパク質を多重化検出します。または、化学発光、NIR、IR蛍光を用いて3つのイムノアッセイを実行し、さらにタンパク質ノーマライゼーションアッセイモジュールを用いて、同じキャピラリー内のイムノアッセイデータを総タンパク質データで正規化することもできます。検出チャネルベースの多重化の設定は簡単です。まず、異なるホスト種で作成した目的のターゲットに対する一次抗体を選択します。その後、サンプル、抗体、試薬をプレートに加え、プレートとキャピラリーカートリッジを装置にセットするだけです。測定終了後、Compass for Simple Westernソフトウェアは自動でデータを解析します。その際、ターゲットデータの正規化も行います Jessのマルチプレックス蛍光ウェスタンについてもっと知る

Detection channel-based multiplexing with Simple Western.

Jessでは、サイズベースとチャネルベースのマルチプレキシングを組み合わせて、Superplexingと呼ばれるさらに高い柔軟性を実現します。JessのSuperplexingは、ウェスタンブロットや他のタンパク質分析システムでの多重化を遥かに超えるものです。ケミルミネッセンス、2色蛍光、総タンパク質、タンパク質の正規化を同時にアッセイすることができます。

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連続マルチプレックス。RePlexで1サンプルあたりのデータ量をさらに増加

従来のウェスタンブロットにおけるストリッピング&リプロービング法は、1回のブロットでより多くの情報を得ることができるため、貴重なサンプルや高価なサンプルを節約するために広く利用されています。しかし、この手法では予測不能なタンパク質損失がよく知られているため、ストリッピング効率を上げ、ブロット上のタンパク質を最大限に保持するには、通常、長時間の最適化工程が必要です。このため、標準的なストリップ&リプローブ技術を用いた定量的なアプローチはほとんど不可能です。Simple WesternのRePlex™は、従来のストリップとリプローブの代わりに、高品質な連続免疫プロービングを可能にします。RePlex™を用いると、同じキャピラリー内で2回連続イムノアッセイを行い、1つの検出チャネルで必要なすべての豊富なタンパク質特性データを取得できます。さらに、サイズベースや検出チャネルベースのマルチプレックス戦略を組み合わせることで、データを大量に取得することができます。

Simple WesternのRePlex™は、自動イムノアッセイの時間短縮の利点とマルチターゲット検出およびタンパク質の標準化を同じキャピラリーで行うため、より少ないサンプルで定量性の高いより多くのデータを取得します。化学発光イムノアッセイを、RePlexを用いた化学発光プローブと総タンパク質測定、あるいは化学発光プローブ後にNIRでリプローブする等、別のアッセイと比べてみてください。可能性は無限大です!

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Run two serial immunoassays within the same capillary with RePlex.